後置修飾の過去分詞(V-ed)と不定詞(to be V-ed)が誤って訳されている例を見たことがある。
本記事では、多くの文法書では別の項目として紹介されている後置修飾のV-edとto be V-edを横並びでご紹介する。
いっけん初歩的な英文法だが、疲れていたりすると空目してしまうこともあるので注意したい。
後置修飾の過去分詞(V-ed)の意味
過去分詞による後置修飾は、すでに完了している行為や成立している状態を表すことが多い。
Books collected during the survey
調査中に収集された本
この例は、すでに調査中に収集が完了した本を指す。ここで重要なのは、収集という行為が完了している点である。
後置修飾の不定詞(to be V-ed)の意味
一方、不定詞による後置修飾は、これから行われる予定・必要・意図された行為を表すことが多い。
Books to be collected next year
来年収集される本
この例は、将来収集される予定の本を指す。この場合、収集という行為はまだ実現していない。
違いを整理
翻訳の観点から見ると、両者の違いは次のように整理できる。
後置修飾の過去分詞(V-ed)と不定詞(to be V-ed)の違い
V-ed:行為がすでに完了している
to be V-ed:行為が未完了で、これから行われる
翻訳においては、単なる「時制」ではなく、完了か未完了かという観点で判断することが重要である。
ありがちな誤訳例
以下は、未来の行為を過去として訳してしまったケース。
Documents to be submitted by the contractor
請負業者によって提出された書類
この訳では、書類がすでに提出済みであるかのような意味になってしまう。正しくは「請負業者が提出する書類」や「請負業者が提出すべき書類」という意味を取る。
おわりに
本記事では簡単な例をご紹介しましたが、実際にはこれらの後置修飾が複雑な英文の中に組み込まれているケースもあります。
後置修飾を見かけた際には、その行為が「すでに完了しているのか」「これから行われるのか」を必ず確認しましょう。
契約書や仕様書の翻訳などでは、この取り違えが業務内容や責任範囲の誤解につながる可能性があるため、注意してもしすぎることはありません。
